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12月3日AJEQ研究会報告 Rapport de la réunion d’études de l’AJEQ (12/7)

12月3日AJEQ研究会報告 Rapport de la réunion d’études de l’AJEQ(12/7)

2016年12月3日(土)、青山学院大学にてAJEQの定例研究会が開催されました。
第1発表では、10月に刊行されたばかりのジュール・ヴェルヌ『名を捨てた家族―1837-38年ケベックの叛乱』(彩流社)の訳者である大矢タカヤス会員が、作品の歴史的背景について詳説してくださいました。ヴェルヌ研究会からも応援をいただき、感謝いたします。
第2発表では、松川雄哉会員がケベックの伝統的なダンスについて、学術的資料を駆使しながら紹介してくださいました。ダンスの実演もあり、長い冬を楽しく過ごすための北国の人々の知恵が実感される発表でした。
詳細は、以下、ご本人からの報告をごらんください。(小倉和子・立教大学)

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日時:2016年12月3日(土)16:00~18:00
場所:青山学院大学 17号館7階17713教室
<プログラム>
第1発表:大矢タカヤス会員(東京学芸大学名誉教授)
「ヴェルヌの小説の主題となった1837-38年ケベック叛乱前後の状況」
第2発表:松川雄哉会員(白百合女子大学)
「ケベックの伝統的なダンスについて―概観と実践」
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大矢タカヤス会員の発表についての報告
「ヴェルヌの小説の主題となった1837-38年ケベック叛乱前後の状況」
 ジュール・ヴェルヌは1837-38年にケベックで起きた叛乱を題材に『名を捨てた家族』(Famille sans nom)という小説を書いた。架空の人物を巧みに史実に織り込んでいるので、物語を味わいながらケベックの歴史の重要な転換点となったこの事件を追体験できる作品である。ストーリーの主題であった叛乱は軍事的に完全な失敗だったが、物語の終わったあと、現実にはフランス系カナダ人がその敗北を乗り越え、武装蜂起の際に主張した独立とは程遠いものの、イギリス系に同化されず、曲がりなりにも今日まで独自のアイデンティテイを保持するに至った道筋を理解するために、叛乱前後の状況を再確認することは有益であろう。
 1763年にパリ条約でフランスの北米植民地がすべてイギリスに譲渡されて以来、かつてのヌーヴェル・フランスはイギリス植民地となった。イギリスはフランス系住民が圧倒的に多いこの植民地を遠隔支配するために、1791年にカナダ法を施行した。この不公平な法制度に苦しんだフランス系住民は、溜まりたまった不満と怒りを1834年に92ヶ条の決議にまとめ、本国に突きつけた。しかし、これをイギリスがほぼ全面的に拒否したので、パピノーを中心とする愛国者党は武装蜂起もやむなしとする方向へ突き進む。ただ武力闘争には慎重な少数派もいて、たとえば、パピノーの腹心であったラ・フォンテーヌは1837年の叛乱には加わらない。叛乱のあとに出されたダラム報告書は、責任政府を慫慂する点ではフランス系住民の主張と完全に一致していたが、彼らを英系に同化させ、アイデンティテイを失わせるために東西のカナダ植民地を融合すべきという提案も含む、全体として矛盾に満ちた報告書であった。ところが、イギリス本国は1841年に後者のみを取り入れたカナダ連合法を敷き、それまで容認されていた議会での仏語使用を廃止し、議員定数は人口比をまったく無視して東カナダと西カナダに同数を割り当てた。叛乱が厳しく弾圧された挙げ句に、これまで以上に不利な連合法が施行されるなど、フランス系住民にとっては暗黒の時代が続くかに見えたが、フランス系議員のリーダーであったラ・フォンテーヌは発想を逆転し、西カナダの改革派ボールドウィンと組んで連合カナダ議会の多数派となり、フランス系住民として初めて首相に就任する。以後、時々の総督に圧力をかけながら、少しずつ譲歩を得て行くのである。(大矢タカヤス)
2016,12,3研究会大矢

松川雄哉会員の発表についての報告
「ケベックの伝統的なダンスについて―概観と実践」
 本発表では、ケベックにおけるダンスの歴史を概観しながら、今日ケベック人に親しまれている伝統的なダンスを紹介した。
 Tremblay et Voyer (2001)が紹介している « Journal des jésuites »によると、ケベックで初めてダンスが行われたとされるのは、1645年のことである。この年、ある婚礼の際にバイオリンの演奏でダンスが行われた。そして1667年には、初めてbal(舞踏会)が開かれた。17世紀末には、人口的に男女の比率が整い、18世紀に入ると、balが大流行した。当時を生きた人々の手紙や日記によると、当時のカナダ人は、夕食後、寒い冬を乗り切るために、我を忘れて朝まで踊っていたらしい。また、当時カナダに滞在していたPierre de Sales Laterrièreという医者は、1770年に、「カナダ人以上にダンスが好きな国民を私は知らない。彼らはフランスのコントルダンスやメヌエットを踊り、そこにイギリスのダンスを織り交ぜている。」と書き記している。この彼の証言は、イギリスによるケベックの支配が始まって(1760年)以降、ケベックで踊られていたダンスがイギリスなどの文化の影響を受けていたことを示している。特に19世紀には、多くのアイルランド系移民がケベックに定住した。この頃、ケベックではカドリーユやコティヨンを踊っていたが、そこにアイルランド起源のジーグが組み込まれていった。ジーグはケベックでも人気となり、アイルランドとは異なる独自のジーグ(gigue québécoise)を発展させていった。
 一方、現在ケベックで踊られている伝統的なダンスの基礎となったのは、set carréというアメリカで生まれたダンスである。これはコティヨンが単純化されたものであり、さらにそこに、踊り手や演奏者に指示を与えるcallが組み込まれた。これにより、踊り手は振りを覚えるという負担がなくなった。このダンスが、夏の間アメリカの農場で働いていたフランス系カナダ人労働者によってケベックに持ち込まれた。当初、callは英語で行われていたが、1950年にOvila Légaréによってcallが初めてフランス語化され、calleurという職業が確立された。この仕事は、伝統的なダンスのイベントを盛り上げるだけでなく、ケベック各地で口頭伝承されてきたダンスが失われないように、それを収集して資料化するという重要な役割を担っている。
 この伝統的なダンスのおかげで、ケベックの厳しい冬の夜は楽しく暖かい。踊りに来る人達は様々である。すでに上手く踊れる人はそうでない人を受け入れ、初対面同士でも助け合いながら踊り続けることによって、そこに調和が生まれる。このような姿勢が、多様性を受け入れるケベックの社会を反映しているように思われる。(松川雄哉)
★AJEQ研究会2016,12,3 ★IMG_0517

「ライシテ」のシンポジウム開催のお知らせ

「ライシテ」をテーマとしたシンポジウム開催のお知らせ(11/28)

立花英裕(早稲田大学):金城学院大学キリスト教文化研究所主催シンポジウム「社会における脱宗教(ライシテ)について考える―フランス、ベルギーそしてケベック(カナダ)」

 金城学院大学キリスト教文化研究所が、日本ケベック学会およびベルギー研究会共催のもと、「ライシテ」をテーマとしたシンポジウムを開催しますので、お知らせします。御関心のある方は、是非、ご参加ください。
 企画責任者の丹羽卓先生からは、このシンポジウムが第2回日本ケベック学会西日本研究会になるとのメッセージをいただいています。詳細については、丹羽先生から、以下のような案内が届いていますので、ここに掲載いたします。

日時:2017年1月21日 (土) 午後2時~午後6時
場所:金城学院大学サテライト(名古屋市中区錦3丁目15−15 CTV錦ビル 4F)
http://www.kinjo-u.ac.jp/pc/inst/38.html

テーマ:「社会における脱宗教(ライシテ)について考える―フランス、ベルギーそしてケベック(カナダ)」
西洋における代表的なフランス語圏の国と地域である上記3つは社会の脱宗教を志向するが、その姿は異なり、抱える課題もさまざまで、イスラームに対する態度についても、立場を異にする。フランス、ベルギー、ケベックを、特に社会において宗教が顕在するのをどの程度受容するのかという点を中心として比較する。

発表:
発表1 立花英裕(早稲田大学法学学術院教授)
 「ライシテの起源-イタリア・ルネサンスを中心に」
発表2 稲永祐介(大阪市立大学 / CNRS-GSRL 非常勤研究員)
「フランスの政治文化としてのライシテ:近代の統治技法、あるいは共和国のイデオロギー?」
発表3 見原礼子(長崎大学 多文化社会学部准教授)
「ベルギーのライシテと宗教多元性――公教育における二つの論争から」
発表4 丹羽卓(金城学院大学キリスト教文化研究所教授)
「ケベックの『開かれたライシテ』――自由主義と共和主義の狭間で」
発表5:伊達聖伸(上智大学外国語学部准教授)
「フランス、ベルギー、ケベックのライシテを比較する――成り立ちと現在の課題から」
参加費:無料

参加申し込み:会場の収容人員に制限(33名)がありますので、事前に次のURLからお申し込みください。
https://goo.gl/forms/sTd2dx0oAIzsqzHF3
このサイトでの申し込みがうまく行かない場合には、問い合わせ先にメールをお送りください。その場合、返信をご確認いただきますようお願いします。

懇親会:シンポジウム終了後懇親会をいたします。会場はシンポジウム会場周辺で、次の通りです。
「韓式酒家 ハングル・タイガー」
https://tabelog.com/aichi/A2301/A230103/23005492/
参加費は5000円を予定しています。お時間が許す方はぜひご出席ください。懇親会参加もシンポジウム参加と同じURLからお申込みいただけます。

問い合わせ先:金城学院大学キリスト教文化研究所(担当 尾崎)
電子メールccoffice@kinjo-u.ac.jp 
代表電話 052-798-0180

第18回 韓国ケベック学会(ACEQ)参加報告

第18回 韓国ケベック学会(ACEQ)参加報告 (11/28)
杉原 賢彦

18回目を迎える、韓国ケベック学会(ACEQ)の大会は、去る11月12日(土)に開催された。
今回は、世界の映画人を震撼させ、同世代の若者たちから絶対的かつカリスマ的な人気と影響力を誇るケベック映画界の新星グザヴィエ・ドラン(Xavier DOLAN)に焦点を当て、その魅力をケベックというトポスと彼の映画そのものから探るという、「大胆にして果敢な試み」(企画者のパク・ヒテ(PARK Heui-Tae)先生自身の言葉による)のもとに発表が組まれた。また、これに加えて大会前日となる11日(金)より、ソウル市内の文化的中心地チョンノ区にある「シネマテーク」(公的なものではなく、アート系映画を中心に上映するマルチコンプレックス館)でドラン作品のレトロスペクティヴが編まれ、最新作『たかが世界の終わり』(Juste la fin du monde)のプレミア上映も行われ、複層的な構成が取られた。

大会の会場となったのは、チョンノ区の文教地区に位置し、アジア最古の大学として知られるソンギュングァン(成均館/Sungkyunkwan University)大学。1398年の創立とされ、600余年を誇る同大学は、ソウル大学にもほど近く、大学街ならではの活気と閑静な雰囲気を併せもつ。
折からのパク・クネ大統領に対するデモ(まさにその規模が増大し始めた折でもあり、11日は20万人余、そして12日は80万人余の参加者だったという)の響きも、ここまでは聞こえては来ず。しかし、街中に何台も停めおかれている大型の警察車両の存在は、常ならぬ雰囲気を湛えてもいた。

大会に先立つ11日の夕方よりシネマテークにて、ACEQとケベック州政府在韓事務所の共催によるグザヴィエ・ドラン・レトロスペクティヴを記念しての開会式が執り行われ、ケベック州政府在韓事務所のユ・チュンギョル(YOO Chun-Gyoll)代表によるあいさつののち、最新作『たかが世界の終わり』の上映へ。
およそ200席の会場内はそれに先立つドラン作品『わたしはロランス』の上映から満員となっており、最新作のプレミア上映に際しても早くからチケットが売り切れてしまったそう。上映後のパク・ヒテ先生とイ・ナラ先生よるティーチインでも熱い討議が行われ、初日のプログラムが終了したのは22時30分頃のことだった。

そして翌12日、ソンギュングァン大学の奥まった会場にてACEQの第18回大会は行われた。
大会当日のプログラムは以下の通り。

 13:00 大会開始〜ハン・ヨンテク(HAN Yong-Taek)会長によるあいさつ
 13:30 Session 1 【 Modernité du Québec et Xavier Dolan 】
    “La modernité dans Le Survenant de Germaine Guèvremont”
      LEE Ji-Soon(Univ. Sungkyunkwan)
    “La réception du cinéma québécois et le phénomène Xavier Dolan au Japon”
      Katsuhiko SUGIHARA
    “Les cultures minoritaires dans les films de Xavier Dolan”
      LEE In-Sook (Univ. Hanyang)
 16:00 Session 2 【 Études microscopiques des films de Xaier Dolan 】
    “L'Image de Mater Dolorosa dans les films de Xavier Dolan”
      LEE Nara (Univ. Korea)
    “Approche formelle des films de Xavier Dolan”
      PARK Heui-Tae (Univ. Sungkyunkwan)

 18時の終了時間まで、ドラン映画を中心にした発表とそれに対するデバが行われたのだが、前半の「セッション1」は主にドラン映画の背景となるケベックの社会と文化に焦点を合わせたもので、後半の「セッション2」ではドラン映画を細かく分析してゆく発表が中心となった。
 それら詳細については頁を改めて紹介したいと思うが、25名から30名弱というこぢんまりとした集まりではあったものの、中身は濃く、いずれも今後のケベック映画、ドラン映画を考えてゆく上での礎石になるものだった。
 
 大会後の打ち上げ(大学街にある伝統的韓国料理のレストランでの食事会)はもちろんのこと、ACEQのメンバーの方々──ハン・ヨンテク会長はもちろんのこと、イ・ジソン(LEE Ji-Soon)前会長、そしてもっともお世話になった今回の企画者であるパク・ヒテ先生をはじめとする方々には、「厚い」という以上に「熱い」歓迎と細やかなお気遣いをいただき、短い時間ではあったが、グザヴィエ・ドランをめぐる思いや研究を共有させていただくとともに、ひと足早いソウルの紅葉と、そして時ならぬ政治の季節を味わうことができ、感謝に堪えない。

パク・チュンギョル ケベック州政府在韓事務所代表によるあいさつハン・ヨンテク会長による第18回大会開始あいさつ
左: 「パク・チュンギョル ケベック州政府在韓事務所代表 レトロスペクティヴ開会式あいさつ」
右: 「ハン・ヨク会長による第18回大会開始」


会員の活動報告とお薦め情報

会員の活動報告とお薦め情報(11/16、11/18、 11/22 改定)

真田桂子(阪南大学):日白修好150周年記念シンポジウム開催のご案内
ベルギー研究会より下記の通り、【日白修好150周年記念シンポジウム開催】についての案内が届いております。大変充実した内容となっております。ご都合がつけば是非ご参加下さい。
なお、参加は無料ですが、専用サイトからの参加登録は必須となっております。 ご注意願います。
 【日白修好150周年記念シンポジウム開催のご案内】
 このたび、日白修好150周年記念シンポジウム実行委員会は、日本ベルギー学会、ベルギー研究会、東京理科大学との共催、在日ベルギー王国大使館などの協力により、シンポジウム「文化・知の多層性と越境性へのまなざし―学際的交流と「ベルギー学」の構築をめざして―」を開催いたします。
 つきましては、是非ご参加下さいますようご案内しますとともに、広くご周知いただきますようお願い申し上げます。
(プログラム詳細は案内サイト www.jb150sympo.org の添付チラシに記載されています、ご覧下さい)

名  称:日白修好150周年記念シンポジウム「文化・知の多層性と越境性へ のまなざし―学際的交流と「ベルギー学」の構築をめざして―」
日  時:平成28年12月10日(土)13:00~17:50
     平成28年12月11日(日)10:00~18:00
会  場:東京理科大学神楽坂キャンパス富士見校舎(4階・5階)
参 加 費:無料(ただし懇親会は会費制)
申込方法:下記URLの申込フォームよりお申し込みください。
     www.jb150sympo.org  
【申込締切】12月2日(金) 
お問合せ先:日白修好150周年記念シンポジウム実行委員会事務局
    担 当:石部尚登 E-mail:mail@jb150sympo.org

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矢頭典枝(神田外語大学): キム・チュイ氏の講演「難民の運命」

さる10月11日、神田外語大学においてキム・チュイ氏による講演「難民の運命」が開催されました。その報告が本学のホームページに掲載されていますので、ぜひご覧ください。

難民の運命

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立花英裕(早稲田大学) : 雑誌 Interculturel Francophoniesのダニー・ラフェリエール特集号

L’Alliance Française de Lecceの雑誌 Interculturel Francophoniesがダニー・ラフェリエール特集号を出したのでお知らせします。
書誌情報は下記の通り :
Interculturel Francophonies no. 30, nov.-déc. 2016 : Dany Laferrière : mythologies de l’écrivain, énergie du roman / textes réunis et présentés par Yolaine Parisot.

巻末に、ダニー・ラフェリエールのインタヴューがあります。

私も論文を掲載しました : « Dany Laferrière, masque d’un romancier », pp.105-123.

拙論をご希望の方はPDFにしたものをお送りしますので、お知らせください。
私のメールアドレス : Grillonbleu014#gmail.com( #はアットマークに換えてください)

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立花英裕(早稲田大学) : 早稲田現代フランス研究所からワイン・セミナーのお知らせ

私が所長をしております現代フランス研究所でワインを考えるセミナーが12月1日に開催されます。
御興味のある方は、是非いらしてください。
  
    早稲田現代フランス研究所・先端社会科学研究所共催 セミナー
    「これからのワインを考える ―― 歴史性、多様性、可能性」
     On the Futures of Wine : History, Diversity, Possibility

    発言者: 野澤 丈二(帝京大学経済学部専任講師)
                     福田育弘(早稲田大学教育学部教授)
                     君塚弘恭(早稲田大学社会科学部専任講師)
   日時: 2016年12月1日(木) 第5限 16時30分~18時30分
   場所: 早稲田大学 早稲田キャンパス 14号館 604教室 参加自由




米国ケベック学会第20回大会参加報告

米国ケベック学会(American Council for Québec Studies)第20回大会参加報告(11/15)
大石 太郎(関西学院大学)

去る11月3日~6日に米国メイン州ポートランドのWestin Harborview Hotelで開催された、米国ケベック学会(American Council for Québec Studies, ACQS)第20回大会に参加しました。ACQSの大会は隔年で偶数年に開催され、奇数年に開催される米国カナダ学会(Association for Canadian Studies in the United States, ACSUS)と交互に開催されています。今大会の日程は以下のとおりでした。なお、私はACQSの一会員として出席しており、AJEQの事業として学会を代表して出席したわけではありません。

11月3日 昼食会、一般研究発表、Plenary
11月4日 一般研究発表、ケベック州政府主催レセプション、Plenary(映画上映とパネル・ディスカッション)
11月5日 一般研究発表、Plenary(シンポジウム)、懇親会(Banquet and Entertainment)
11月6日 総会
(Plenaryというのは辞書を引いてもピンと来る訳語がないのですが、イベント的要素のあるセッションを意味するようです)

まず、初日は受付を済ませてすぐに昼食会となり、ひとしきり食べ終わったころ、会長の挨拶と招待講演が行われました。会長はサザン・アラバマ大学のSam Fisher先生(政治学)で、招待講演はメイン州のフランコ・アメリカン・コミュニティの重鎮であるSeverin Beliveau氏によるものでした。ケベック州やニューブランズウィック州と隣接するメイン州にはかつてフランス系カナダから多くの移民が流入しており、一説には、約130万ほどの人口の約3割がフランス系の祖先をもつとされています。

一般研究発表は5会場に分かれて行われ(1会場の収容人数は20~30名)、1セッションは90分で、3つないし4つの発表で構成されています。すべての発表を終えてから、まとめてディスカッションの時間をとる場合が多かったようです。ラウンドテーブルを含めて45のセッションが実施され、プログラムに講演題目の明記された128本の発表のうち、ほぼ半数にあたる67本の発表がフランス語によるものでした。今回は会場がカナダから近く、ケベック州を中心にカナダからの参加が多かったことがフランス語による発表の多さにつながっているかもしれませんが、それぞれのセッションは言語別に組まれておらず、基本的に参加者は学会の「公用語」である英語とフランス語の両方を理解するという前提で動いているようです。私は(僭越ながら)Recent Trends in Québec Studies in Japanというタイトルで、日本におけるケベック研究の現状を紹介しました。もっとも、タイトルは羊頭狗肉気味で、明治以来の外国研究の伝統から話を始め、1970年代末の日本カナダ学会の創設にみられるカナダ研究の発展、2008年の本学会創設とその活動などを紹介し、課題として財政的問題、最近の日本における英語重視の流れ(英語以外の言語への関心の低さ)を指摘しました。当初は、私の発表順になって誰もいなくなったらどうしようなどと思っていましたが、予想外に熱心に聞いてくれて、好意的な反応も多くもらいました。なお、研究発表のテーマは文学、映画、政治、歴史など多岐にわたるのはもちろんのこと、アメリカ合衆国のフランス系住民やフランス語教育などに関する報告もあって、「ケベック研究」という看板から感じられるよりも少し広いテーマが取り上げられていました。

2日目の夜にはケベック州政府主催のレセプションがあり、在ボストン・ケベック州政府事務所代表が司会を務め(写真左)、Paul LePage州知事の挨拶や「ケベック賞」の授与などが行われました。なお、姓から想像されるように現知事はフランス系の末裔ですが、姓はルパージュではなく、ルペイジと発音します。さらに、Claude Godbout監督の映画Un rêve américainが上映され、監督自身も加わってパネル・ディスカッションが行われました。この映画は、オンタリオ州に住むフランス系のミュージシャンが自動車でメイン州からカリフォルニア州までフランス系とかかわりの深い町を訪ね、そこに住むフランス系の末裔の人々と交流するドキュメンタリーで、北アメリカのフランコフォニーに広く関心のある私には、たいへん興味深い映画でした。3日目の夜はBanquetがあり、フランス系カナダの伝統音楽が生演奏で披露され、一部の参加者はそれに合わせてダンスを楽しみました(写真右)。

昼食会やBanquetはすべて参加費に含まれており、一部のcash barをのぞいて追加費用がかからなかったことには感心しました。また、在ボストン・ケベック州政府事務所や国際ケベック学会(AIEQ)などが受付周辺に展示ブースをもうけていたり、ケベックシティの観光促進PRなども行われたりしていました。一方で、財政的な問題から、プロジェクターの設置された会場は2会場のみであり、私は15年ぶりくらいにレジュメで発表しました(レジュメも用意せずにただ話すだけの発表も多いです)。その点にやや違和感を覚えたものの、初めての参加でもすぐに溶け込める雰囲気で、また参加したいと思わせるものでした。次回の大会は、2018年にルイジアナ州ニューオーリンズで開催されるそうで、ニューイングランドとはまた違う、北アメリカのフランコフォニーを体感できる大会になるのではないかと思います。

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モンレアル滞在報告と4件のお知らせ

モンレアル滞在報告と4件のお知らせ (11/15)
小倉和子 (立教大学)

10月17日から11月8日まで、「ケベック社会における文学の役割」について調査するため、立教大学の協定校であるケベック大学モンレアル校(UQAM)に滞在しました。滞在中、Kim Thúyさんに再会したほか、UQAM文学部の教員やCRILCQ(Centre de recherche interuniversitaire sur la littérature et la culture québécoises)の研究員、さらには多くの若手作家たち(大学教員であることも多い)に会い、「移住のエクリチュール」以降の現在の文学状況について話を聞くことができました。
また、ケベック市にある国際ケベック学会(AIEQ)の事務所にも立ち寄り、Chantal Houdet 事務局長、Suzie Beaulieu所員、国際関係・フランコフォニー省アジア・太平洋地域担当のMathieu Doyle-Gosselin氏と、今後のAJEQとAIEQの協力関係についても話し合うことができました。その模様がAIEQの会報に掲載されていますので、ごらんください。
http://aieq.cybercat.ca/fr/voir.php?idNewsLetter=598
特筆すべきは、若手研究者たちが各自の研究を披露しているAJEQのインタヴューサイトに大変関心を示してくれたことです。この企画の実現にご尽力くださった宮尾先生やBéliveauさんに改めて感謝いたします。

4件ほど、みなさまにお知らせがあります。
研究発表募集
(1) L’Acfas (Association francophone pour le savoir) の大会
来年2017年はモンレアル市建設375周年、カナダ建国150周年、AIEQ設立20周年など、記念すべき年にあたります。L’Acfasの第85回大会が5月8日から12日までMcGill大学で大々的に行われる予定で、AIEQも参画します。現在自由論題を募集中ですので、奮ってご応募ください(締め切りは11月28日)。詳細はこちら :
http://www.acfas.ca/evenements/congres
(2) « Les migrances au féminin » のコロック
2017年4月6~7日にUQAMで標題のコロックが開催されます。発表申込の締め切りは2017年1月9日です。詳細はこちら :
https://www.facebook.com/events/109283706216200/

AIEQ若手会員向け奨学金
(3) Bourse Gaston Miron sur la littérature et la culture québécoises
カナダ以外に在住の若手研究者がケベックで2か月以上研修を行うための奨学金です。
2017年度の要項は2月に以下のサイトに掲載されます。
http://aieq.qc.ca/bourse-gaston-miron
(4) Bourse de perfectionnement en études québécoises et langue française
若手研究者が6月後半から8月初旬にかけて行われる夏季大学に参加するための奨学金です。2017年度の要項は2月に以下のサイトに掲載されます。
http://aieq.qc.ca/bourse-de-participation-a-luniversite-dete-en-etudes-quebecoises-mcgill

以上よろしくお願いいたします。 

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(撮影:小倉和子)

会員のお薦め情報

会員のお薦め情報(10/20、10/30改定)

立花英裕(早稲田大学): 早稲田大学現代フランス研究所セミナーのお知らせ
 早稲田大学現代フランス研究所主催による石崎晴己青山学院大学名誉教授の講演セミナーが2016年11月18日(金)に開催されます。新刊のエマニュエル・トッド著『家族システムの起源 上/下』 (石崎晴己監訳、藤原書店)を中心としています。日本でも大きな反響を呼んでいるエマニュエル・トッドを取り上げますので、是非、ご来場いただくようお待ちしております。詳細は下記の通りです。

早稲田大学現代フランス研究所主催・国際戦略研究所共催セミナー
「エマニュエル・トッド 人類学の新展開」
Emmanuel Todd, new developments in anthropology  
•講演者:  石崎晴己(青山学院大学名誉教授)
•司会:   塚原史(早稲田大学法学学術院教授)
•日時:   2016年11月18日(金) / 18:15―19:45
•会場:   早稲田キャンパス26号館地下一階多目的講義室
•参加費:  無料、事前予約不要

下記の早稲田大学地域・地域間機構(ORIS)Web siteのページをご覧ください。
https://www.waseda.jp/inst/oris/news/2016/10/25/1816/
ページ下方の「チラシ」をクリックすると、チラシがダウンロードできます。

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大矢タカヤス:ケベックに関するジュール・ヴェルヌの小説を翻訳・上梓いたしましたので、お報せします。
ジュール・ヴェルヌ著、大矢タカヤス訳『名を捨てた家族ーー1837-38年ケベックの叛乱ーー』(彩流社、2016年11月)
 1995年の主権をめぐる州民投票で主権派が49,42%を獲得したときは、ケベック独立も間近かだと考えた人も多かったと思います。ところが、その後独立へ邁進するためのさらなる州民投票という話は聞こえてきません。あの気運はあそこで頂点を極めてしまったかのようで、今やケペックは連邦制度の枠の中で大人しく振る舞う道を選んでいるようにも見えます。しかし、歴史の浮沈は凡俗には読み切れるものではありませんし、外部の人間には思いもよらぬ事態が起こることもあります。というのは、過去にフランス系住民がもう一歩で独立を勝ち取りそうになったことがあるからです。1837年から1838年にかけての武装闘争によって、多くの「たら・れば」が必要ですが、ケベックは独立していたかもしれないのです。現実にはこの動きはイギリス植民地政府によって徹底的に叩きつぶされました。しかし、約半世紀後、フランスの流行作家、ジュール・ヴェルヌはそこにロマンの匂いを嗅ぎつけたのです。そして確たる史実の間に想像上の人物を巧みに配置して、瞠目すべき歴史小説を書き上げました。この作品において、ヴェルヌの小説を味わいながら、ケベックの歴史の重大な一こまを生々しく追体験できる機会が提供されていると言えましょう。
出版社HPのリンク:
http://www.sairyusha.co.jp/bd/isbn978-4-7791-2272-9.html
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AJEQ2016年全国大会: Congrès annuel de l'AJEQ-2016

AJEQ2016年全国大会: Congrès annuel de l'AJEQ-2016 (10/8)

2015年10月8日(土):Samedi 8 octobre 2016
会場:明治大学駿河台キャンパス リバティータワー12階1123教室
Lieu: Université Meiji, Kanda-Surugadai, Chiyoda-ku, Tokyo; Liberty Tower, Salle 1123

開催校代表挨拶 萩原芳子(明治大学): Yoshiko HAGIWARA (Université Meiji)
ケベック州在日事務所挨拶 マルク・ベリヴォー: Marc BÉLIVEAU (Délégation générale du Québec à Tokyo)
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自由論題 Communications
佐々木菜緒(明治大学大学院):アンヌ・エベール『魔宴の子たち』における補記の戯画的作用
Nao SASAKI (doctorante, Université Meiji): Effet caricatural des phrases ajoutées dans Les enfants du sabbat d'Anne Hébert

立花英裕(早稲田大学):ガストン・ミロンとロランティド
Hidehiro TACHIBANA (Université Waseda): Gaston Miron et Les Laurentides

HAN Yongtaek (Université Kyonggi): L'historicité et le surnaturel dans la littérature québécoise du 19e siècle: autour des contes fantastiques de Honoré Beaugrand

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基調講演 Conférence
Kim THÚY (écrivaine): Écrire entre le Vietnam et le Québec
キム・チュイ(作家):ベトナムとケベックのあいだで書くこと

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シンポジウム Symposium 
「ケベック社会と女性」 La société québécoise et les femmes
小倉和子 Kazuko OGURA (Université Rikkyo), 矢内琴江 Kotoe YAUCHI (Université Waseda), 矢頭典枝 Norie YAZU (Université Kanda-gaigo), 伊達聖伸 Kiyonobu DATE (Université Sophia)

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キム・チュイ氏の講演会開催のお知らせ

キム・チュイ氏の講演会開催のお知らせ(9/30、10/2改定)

10月11日(火):神田外語大学での講演 「難民の運命」
スピーカー:キム・チュイ氏、司会・通訳:仲村愛神田外語大学非常勤講師
言語:フランス語(通訳あり)
事前申込不要(どなたでも参加できます)
ベトナム系カナダ人作家キム・チュイ氏が10月11日(火)に神田外語大学において「難民の運命」と題する講演を行います。詳細につきましては、以下の大学HPをご覧ください。(矢頭典枝)
キム・チュイ講演「難民の運命」

10月12日(水):カナダ大使館での講演 「フランス語圏で書く女性たち」
スピーカー:キム・チュイ(作家)、関口涼子(詩人・翻訳家)
言語:フランス語、日本語
申込締切:10月5日(申込方法は以下のサイトをご覧ください)
カナダ大使館からのニュースレターによると、キム・チュイ氏の講演会がオスカー・ピーターソン・シアターで行われるとのことです。(杉原賢彦)
http://www.canadainternational.gc.ca/japan-japon/library-bibliotheque/Speaker-315478-series.aspx?lang=jpn
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会員のお薦め情報(10/9)

会員のお薦め情報(9/21、10/9 改定)

大石太郎(関西学院大学):ケベックを読み解く7つの鍵(話題の新刊の紹介)
ケベックの人々の特徴とは何か。ケベックを知りたい人々にとって興味深い新刊が現地の新聞各紙で話題をよんでいます(フランス語版、英語版の同時刊行)。本書は、ケベックを拠点とするカナダ有数の世論調査・マーケティング企業を率いるジャン=マルク・レジェ氏が、長年交流のあるHEC(ビジネススクール)名誉教授およびジャーナリストとともに、豊富な世論調査データをふまえてケベックの人々の特徴を論じたものです。類書が少なく、ここに紹介する次第です。
(フランス語版)
https://www.amazon.ca/gp/product/2761946413/ref=ox_sc_sfl_title_2?ie=UTF8&psc=1&smid=A3DWYIK6Y9EEQB
(英語版)
https://www.amazon.ca/gp/product/1988002362/ref=ox_sc_sfl_title_1?ie=UTF8&psc=1&smid=A3DWYIK6Y9EEQB
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久山友紀(州政府在日事務所):ケベック関係の文化的行事についての最新情報をご紹介します。
(1) ビジュアルアート
写真展
Michel Huneault / La longue nuit de Mégantic ミシェル・ユノー / メガンティックの長い夜
メガンティックで起こった列車事故をテーマにしています。
Gallery TANTO TEMPOにて9月25日まで展示されています。12:00 – 18:00 (月、火休館)
http://tantotempo.jp/web3/
作品展
« Contiguïté » ドコニ イテモ ソラハ ツナガッテ イル
10月16日(日)より22日(土)まで
Art gallery そら (大阪市)にて
カナダ・ケベック州のアーティスト20人による作品展です。
http://www.art-sora.com/portfolio/details/sora/1356/
(2) 映画
グザヴィエ・ドラン出演、監督:ダニエル・グルー 映画『神のゆらぎ』(Miraculum)が、9月24日から東京・渋谷 UPLINKで公開されることになりました。御見逃していた方は是非ご覧下さい。
http://www.uplink.co.jp/movie/2016/46092
(3) 講演会
トークイベント
シルク・ドゥ・ソレイユという選択
2016年10月11日(火)19時より21時まで
大阪大学 アート・メディア論研究室主催企画
http://21c-kaitokudo.osaka-u.ac.jp/events/2016/cirque_du_soleil
トーテム、出演アーティスト宮海彦さんもゲストで登壇されます。
サイトで御確認の上、お申込み下さい。参加無料・要事前申込 (定員100名)
(4) 音楽
電子音楽
France Jobin
モントリオールのサウンド・アーティスト。研ぎ澄まされたミニマムな電子音響を追求しています。
10月8日東京、10日福岡、13日岡山、15日茨城、16日東京でライブを開催します。
詳しくはサイトから:
http://www.francejobin.com/wp-content/uploads/2016/09/fjobin_simétrietourJapan.jpg
http://www.francejobin.com/?p=5133
JAZZ
Alain Bédard & the Auguste Quartet 来日ライブ
10月07日(金) 19時開演
会場  Mameromatic  http://mameromantic.com/
住所 東京都渋谷区代官山町20-20モンシェリー代官山B2
(10月7日参加希望の方は久山までご一報いただければ申込リンクを送ります)
横濱ジャズプロムナードへ参加します
10月9日(日)12時より
会場 横浜赤レンガ倉庫1号館
住所 横浜市中区新港1-1-1
http://jazzpro.jp/112
MUTEK JAPAN
11月2日-4日、モントリオール発祥のMUTEKが遂に日本に初上陸!
プログラム、会場等、ホームページをご覧下さい:http://mutek.jp/
MUTEKはモントリオールにてスタートした、デジタルクリェイティビティ、最新テクノロジーを駆使した電子音楽、
オーディオビジュアルアートの文化芸術活動の普及を目的とした、芸術フェスティバルです。
ケベックから多数のアーティストも参加します。是非この機会をお見逃しなく。
(5) 演劇
« ブックショップ »
御好評につき、またやってきます!子供から大人まで楽しめるハートフル・コメディ!
第7回 したまち演劇祭 in 台東
2017年1月8日(日)-11日
台東区生涯学習センター ミレニアムホール
劇団グロ・メカノ(カナダ・ケベック)&バスタ Inc.共同制作
http://basta.co.jp/thebookshop/
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会員のお薦め情報

会員のお薦め情報(8/25、8/30、9/10、9/20 改定)

大石太郎(関西学院大学):名古屋で開催される国際会議のお知らせです。
「国際メトロポリス会議 2016」(International Metropolis Conference 2016)
10月24~28日に、「国際メトロポリス会議2016」(国際的な人の移動と社会統合に関する国際学会の年次大会)が、名古屋国際会議場(http://www.nagoya-congress-center.jp/)で開催されます。
危機管理や地方創生、ツーリズム、学生移動等も重要なテーマとなっています。
研究者オンリーではなく、政策立案者やNGOや企業関係者といった実務家の参加も多い国際フォーラムです。
21回目の年次大会で、アジアで最初の大会となります(昨年はメキシコで開催)。
早期申込み(割引料金)期日は9月26日。ワークショップ報告のご希望も承ります。フルペーパーの提出は必要なく、アブストラクトだけで十分です。最新のリーフレット類のファイルは以下のリンクからダウンロード可能です(9月27日まで)。
<英語版> https://srv04.bitsend.jp/filesgroup/83db3ffb07e821314c3ab18fd7f7362b.html
<含 日本語版> https://srv04.bitsend.jp/filesgroup/c7a4987400daae8abea04010b6fcc386.html
主催:国際メトロポリスプロジェクト(本部はオタワのカールトン大学)、国際メトロポリス会議2016愛知・名古屋組織委員会(事務局は関西学院大学経済学部)
後援:関西学院大学、移民政策学会、名古屋市、愛知県、外務省
国際会議のウェブサイトは下記のリンクです。
http://metropolis2016-nagoya.jimdo.com/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E-top/
http://metropolis2016-nagoya.jimdo.com/
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安田敬(ダンスカフェ):ケベック関係のイベントをお知らせします。
第4回舞踊学セミナー
「国際舞台見本市(TPAM)を通して我が国の舞踊芸術の現状を検証」
ゲスト:丸岡ひろみ(TPAMディレクター)司会:安田敬
日時:2016年10月27日(木)18:30-20:30
会場:池袋あうるすぽっと3階会議室B 料金:500円(予約登録制)
第一部マリー・シュイナールなど最新情報(報告:ダンスカフェ)(30分)
第二部「国際舞台見本市(TPAM)を通して我が国の舞踊芸術を検証」
昨年20周年を迎えたTPAM、これまでのダンスの推移を読み取る。
モントリオールCINARS、ソウルPAMSをレポート(予定)
あうるすぽっと:http://www.owlspot.jp/
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大石太郎(関西学院大学):外務省在外公館専門調査員の募集についての情報です。
来春採用予定の在外公館専門調査員の募集が始まっています(9月26日締切)。専門調査員は地域研究の専門家を多数輩出してきたポストであり、在カナダ日本大使館専門調査員の経験者は本学会でも活躍しています。関心のある方は、募集主体である一般社団法人・国際交流サービス協会のホームページをご覧ください。
http://www.ihcsa.or.jp/zaigaikoukan/zaigaikoukansencho-01/
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久山友紀(州政府在日事務所):ケベック関係の文化的行事についての最新情報です。
(1) ビジュアルアート
写真展
Michel Huneault / La longue nuit de Mégantic ミシェル・ユノー / メガンティックの長い夜
メガンティックで起こった列車事故をテーマにしています。
8月20日より9月25日まで12:00 – 18:00 (月、火休館)
Gallery TANTO TEMPO (Kobe) にて
アーティストトークは C.A.P. 芸術と計画会議 5階講堂/ 8月28日12:00 より
参加費:¥2,000 です。
こちらの企画は、六甲山国際写真祭の写真展ですが、写真祭終了後も Gallery TANTO TEMPOで9月25日まで展示されています。
http://rokkophotofestival.com/blog/?tribe_events=raiec-directors-choice-2016
(2) 音楽
シネマ・ミュージカル・コンサート
9月9日より11日まで
東急シアターオーブにて
ケベックから、マット・ローラン、ロベール・マリアンが登場です。他、ブロードウェイで活躍中のアーティストたちの歌声を是非お聞き下さい。
http://theatre-orb.com/lineup/16_cmc/top.html
(3) 映画
第16回広島国際アニメーションフェスティバル
8月18日から22日 広島JMSアステールプラザにて
カナダケベック州からTheodore Ushev(テオドール・ウシェフ)の作品2作品がコンペティションにセレクトされ、<The sleepwalker>
という作品が特別賞を受賞しました。
詳しくはこちらから:http://hiroanim.org/
これとは別に、グザヴィエ・ドラン出演、監督:ダニエル・グルー 映画『神のゆらぎ』(Miraculum)が、8月6日から東京・新宿シネマカリテほかで公開され、好評につき延長されています。お見逃しなく。
http://qualite.musashino-k.jp/time.php#1470053035
(4) シルク・ドゥ・ソレイユ
「トーテム」大阪は7月14日から中之島ビッグトップにて。
詳しくはこちらから:http://totem-jp.com/
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ケベック関係の文化イベントの最新情報

ケベック関係の文化イベントの最新情報(7/15)
日本でのケベック関係の舞台、音楽、映画について最新情報が、ケベック州政府在日事務所の久山友紀文化公的機関担当官から送られてきましたので、以下に掲載します(AJEQブログ担当広報委員)。
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(1) 音楽
ジャズ
「Glenn Zaleski Trio」来日ツアー
モントリオール出身のベーシスト Rick Rosatoが参加しています。
7月15日(金)東京 新宿 PIT INN
7月17日(日)愛知 名古屋 STAR EYES
7月18日(月)京都 le club jazz
7月19日(火)京都 le club jazz
7月21日(木)東京 武蔵野スイングホール
7月22日(金)静岡 LIFE TIME
7月23日(土)東京 南青山 Body & Soul
詳細:http://homepage2.nifty.com/zoojazz/index.html
クラッシック
Duo Ventapane 日本ツアー
白石 茉奈(ヴァイオリン)/マルティン・カルリーチェク(ピアノ)マギル大学ピアノ科講師
7月17日(日)14:30 尾上邸音楽室 東京都豊島区長崎5-27-20
お問い合わせ:♪♪音楽ネットワーク「えん」代表 佐伯 隆
携帯電話 090-4598-0153 Eメール tsknulp1915@gmail.com
8月6日(土) 18:00
塩嶺カントリークラブ 要事前予約
http://www.enrei.co.jp/themes/sky2/pdf/top_160628_2.pdf
8月7日(日)15:00 大阪大学会館: https://sites.google.com/site/concertb252/2016niankonsatokarenda/martinkarlicekj
8月10日(水)20:00 カフェ・モンタージュ 京都市中京区5-239-1: www.cafe-montage.com
8月21日(日)14:00
Iichiko 音の泉ホール (大分県):http://www.emo.or.jp/facilities/oto.php
(2) ビジュアルアート
ダダイズム誕生100周年記念イベント
アニタ・フギとダヴィット・デュフレンヌによるインタラクティヴ・ウェブドキュメンテーションに、モントリオールから2名のアーティストが参加
http://dada100.jp/2016/06/20/interactive-webdok/
(3) 映画
第16回広島国際アニメーションフェスティバル
8月18日から22日 広島JMSアステールプラザにて
カナダケベック州からTheodore Ushev(テオドール・ウシェフ)の作品が2作品がコンペティションにセレクトされました。
詳しくはこちらから:http://hiroanim.org/
グザヴィエ・ドラン出演、監督:ダニエル・グルー 映画『神のゆらぎ』(Miraculum)が、8月6日から東京・新宿シネマカリテほか全国で順次公開予定。
(4) シルク・ドゥ・ソレイユ
「トーテム」大阪は7月14日から中之島ビッグトップにて開催されています。
詳しくはこちらから:http://totem-jp.com/
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7月2日AJEQ研究会報告 Rapport de la réunion d’études de l’AJEQ

7月2日AJEQ研究会報告 Rapport de la réunion d’études de l’AJEQ(7/3、7/11改訂)
AJEQ研究会
日時:2016年7月2日(土)16:00~18:10
場所:立教大学 本館(1号館)2階1204教室
<プログラム>
第1発表:井村まなみ会員(群馬県立女子大学)
Tom à la ferme (Xavier Dolan)の詩的なもの:整合性と整合性で捉えられないもの」
第2発表:伊達聖伸会員(上智大学)
「フェルナン・デュモン『記憶の未来』を読む」
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井村まなみ会員の発表についての報告
Tom à la ferme (Xavier Dolan)の詩的なもの:整合性と整合性で捉えられないもの」(井村まなみ)                 
Michel Marc Bouchardによる同名の戯曲(2010年)をもとにつくられた、Xavier Dolan の映画Tom à la ferme (2013年)についての報告である。制作者側の解説は、同性愛にまつわる禁忌と偏見(ブシャール)、「恋人を救えなかった罪悪感から、暴力と不寛容のなかでストックホルム症候群に陥ってゆく主人公の物語」(ドラン)とあるように、もっぱら内容面に関わるのに対して、構成面からの理解が目的である。まず、整合性で説明できるモチーフとテーマ―直進と旋回の枠組み、車と牛の対称性、出発と喪のテーマの繰り返し―を整理した。特に、戯曲のシナリオを映画用に練り直している点、両者の比較に力点を置いた。ブシャールが限られた空間で展開するために言語の特性を駆使するなら、ドランはそれらを映像で支えながら、さらに発展させることで成功しているのである。
発表では次に、整合性では捉えられないもの、言語でも映像でも表わし難いことを浮かび上がらせようと試み、詩的なものとの関連を指摘した。
スクリーンに映像を映しながらの報告であり、報告後、会場からは活発な意見と質問をいただいた。この作品の持つ豊かさを改めて知ることになり、今後考察を深めるための指針としたい。

伊達聖伸会員の発表についての報告
「フェルナン・デュモン『記憶の未来』を読む」(伊達聖伸)
5月末に拙訳でフェルナン・デュモン『記憶の未来――伝統の解体と再生』(白水社、2016年)が刊行された。
本発表は、本書の概要を紹介し、訳者なりに重要と思われる論点をいくつか紹介したもので、会場との質疑応答になるべく多くの時間を費やすことを意識した。
「私たちの社会が未来を前にして無力になったのだとしたら、それは私たちの社会が記憶を失ったことに原因があるのではないか」。
この問いを前に、デュモンは現代社会においては慣習の解体が起こっているが、それは必ずしも伝統の解体ではないと論を進める。
記憶の危機は転じて好機にしうるものでもあり、著者はその希望を学校とデモクラシーに託す。
論点として挙げたのは、1)記憶喪失に抗して、歴史の果たすべき役割、2)人文科学の危機に抗して、学校の果たすべき役割、3)「デモクラシーに固有の専制」(トクヴィル)に抗して、「たえず再興すべき伝統」としてのデモクラシーをいかに構築するか、の3点である。
会場からは、記憶というテーマをめぐるケベックの特殊性と普遍性、フランス本国とその他のフランス語圏の国や地域の違い、国民的記憶のレフェランスとなるものの特徴などについて、いろいろな角度から質問やコメントをいただいた。
訳者としては、本書は反時代的なアクチュアリティを持つもので、現代の日本にとっても意味のあるものだと思う。お手に取っていただければ幸いである。
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写真:
井村まなみ会員の発表の様子
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伊達聖伸会員の発表の様子
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フェルナン・デュモン『記憶の未来』の表紙
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アンヌ・エベール生誕100周年・国際研究会参加報告

アンヌ・エベール生誕100周年・国際研究会参加報告(佐々木菜緒) (7/1)

Colloque international « Anne Hébert, le centenaire »
7-9 juin 2016, Sherbrooke et Montréal, Québec
研究会ホームページ:http://colloqueannehebert.evenement.usherbrooke.ca/

 2016年は、現代ケベックを代表する作家アンヌ・エベール(Anne Hébert:1916-2000)生誕100周年に当たる。それを記念して、6月7日〜9日の3日間、ケベックのシェルブロックとモンレアルでアンヌ・エベール国際研究会が開催された。詩から小説、短編から戯曲までに至るエベール全作品を様々な観点からを総合的に考察し、今後の研究や教育分野におけるエベールの可能性を探るために、ケベックや英語系カナダのみならず、フランス、オランダ、ドイツ、スペイン、イタリア、アイルランド、インド、ブラジル、日本など世界各国から30名のエベール研究者が結集した。2016年はまたアンヌ・エベール研究センター設立20周年を迎える節目の年でもある。
 本研究会の流れは大きく分けて次のようであった。先ず1日目はオープニングとしてエベールの生涯と作家活動について話し合われ、2日目にエベールの全作品に関する研究発表(テーマ研究、社会学的考察、表象論や芸術論など)がなされた。そして3日目にエベール作品の受容や世界のエベール研究の現状について報告がなされたのち、クローズィングとして今後のエベール研究の可能性が話し合われた。
 私の発表は、3日目の « Traduction et réception » の枠組みで、 « Anne Hébert au Japon : Les chambres de bois et Kamouraska » と題し、国内におけるエベール作品の受容について行った。本発表では、日本語に唯一訳された小説であるにもかかわらず国内では未だほとんど研究されていない『カムラスカ』(1970)と、邦訳はないが国内のケベック文学研究で注目度の高い『木の部屋』(1958)を取りあげた。この対照的な2作品について、ケベックにおける場合と比較しながら、その要因を検討した。日本特有のエベール現象は他の研究者の関心を大いにひき、国内におけるケベック文学や翻訳状況についても活発に質問があがった。
 また、本研究会と合わせて開催されるエベールの展覧会 « La détermination d’un regard : archives littéraires d’Anne Hébert et œuvres d’art de Hector de Saint-Denys Garneau » の内示展は、本研究会参加のもう1つの醍醐味であった(写真参照)。同展覧会では作品原稿や、エベールに関する写真、絵などが展示されている(シェルブロック大学文化センターのアートギャラリーにて8月7日まで開催中)。研究会の3日間、食事の面でも大変歓待していただいた。特に内示展後に発表者全員はケベックの郷土料理コースの晩餐会に招いて下さった。こうした食をとおして他の研究者と出会い、自由に気軽に意見を交換できたことは素晴らしい時間であった。研究会主催者のNathalie Watteyne教授に感謝したい。
 さいごに、今回のケベック滞在は、6月9日に始まった音楽祭Les FrancoFolies de Montréalと重なったことは幸運であった。本研究会終了後はモンレアル市内Quartier de Spectacleにて、昨今若者に大人気のラップバンド Dead Obiesや現代ケベックポップとして幅広い年代層にファンの多いPierre Lapointeの生演奏を堪能することができた。学際的かつ文化的に凝縮した素晴らしい1週間の滞在だった。

研究会の様子
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Nathalie WatteyeneとJanet Paterson
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エベールの書斎(展覧会)、およびエベール研究書販売
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Emie R. Roussel 講演+演奏報告(6/29)

Emie R. Roussel 講演+演奏報告(6/29)

Le 27 juin 2016 a eu lieu à l’Université Rikkyo la rencontre avec Emie R. Roussel (pianiste jazz, compositrice), qui était de passage au Japon pour lancer son troisième album « QUANTUM ». Après avoir écouté son interprétation des pièces tirées des albums « TRANSIT » (prix Opus 2015, disque jazz de l’année ) et « QUANTUM », le public a assisté à son entretien avec Isao Hiromatsu (Univ. Hosei) sur « Le jazz au Québec ». C’était un moment agréable et plein de bonheur. (Kazuko Ogura)

2016年6月27日(月)18:40~、立教大学にてケベックのジャズ・ピアニスト、エミー・R・ルセールの講演会+演奏会が開催されました(主催:日本ケベック学会、共催:立教大学異文化コミュニケーション学部、後援:ケベック州政府在日事務所)。
ルセール氏は3枚目のアルバム『クワントム(量子)』の日本でのリリースのために初来日。『トランジット』(ケベック音楽評議会主催Prix Opus、ベスト・アルバム・オブ・ザ・イヤー受賞)と『クワントム』から数曲演奏していただいたあと、廣松勲会員(法政大学)と「ケベックのジャズ事情」についての対談が行われました。梅雨の一夕、集まった聴衆とともに生演奏に耳を傾け、至福のひとときを過ごしました。
こちらもごらんください。https://fr-fr.facebook.com/emierrousseltrio/
(文責:小倉和子)

Roussel-6-2.jpg Roussel-4-2.jpg
Roussel-5-2.jpg Roussel-7-2.jpg
(photos: Hidehiro Tachibana + Yuki Kuyama)
プロフィール

Author:AJEQ: www.ajeqsite.org/
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