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AJEQ会員のお薦め情報(7-9月映画・演劇情報)

AJEQ会員のお薦め情報:7-9月の映画・演劇情報(7/20、7/22)

1) ケベック映画上映のお知らせ(7/20)

先日のAJEQ研究会で発表してくださいました杉原賢彦さん(映画批評家)から貴重な情報をいただきました。(小倉和子)

埼玉・川口のスキップシティで開催中の「国際Dシネマ映画祭」で、ケベック映画が1本上映されます。
ヤン・ラヌエット・トゥージオン(Yann Lanouette Turgeon)監督の
『ロック・ペーパー・シザーズ(原題:Roche papier ciseaux)』で、
7月23日(火)と26日(土)に上映予定です。
http://www.skipcity-dcf.jp/films/films10.html
ご関心のある方はぜひこの機会をお見逃しなく。
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2) 三大映画祭週間2014 (7/22)

天野僖巳さん(ケベック州政府在日事務所)から以下の情報をいただきました。(小松祐子)

三大映画祭週間2014が8月16日~9月5日に東京、大阪で開催されます。ケベック映画も上映されますので、ぜひお運びください。
http://sandaifestival.jp/


3) ワジディ・ムワワドの作品の舞台公演 (7/22)

片山幹生会員から以下の情報をいただきました。(小松祐子)

ケベックの作家、ワジディ・ムワワドの作品の舞台公演が9月に東京のシアタートラムでありますので、ご紹介します。
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2014/09/post_370.html
『炎 アンサンディ』 
公演期間: 2014年09月28日(日)~2014年10月15日(水)
劇場:シアタートラム
チケット前売り開始日: 一般 : 2014年07月27日(日)~
友の会会員先行予約 : 2014年07月12日(土)~
せたがやアーツカード会員先行予約 : 2014年07月26日(土)~
[作] ワジディ・ムワワド
[翻訳] 藤井慎太郎
[演出] 上村聡史
[出演] 麻実れい/栗田桃子/小柳友/中村彰男/那須佐代子/中嶋しゅう/岡本健一
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2011年1月に日本で公開されたドゥニ・ヴィルヌーヴ監督『灼熱の魂』の原作となった作品です。映画版では2時間強ですが、オリジナルの舞台上演は4時間ぐらいかかる長い作品だそうです。今回の上演ではある程度カットはされている上演台本を用いると思いますが。ムワワッドはレバノン出身の作家で、ケベックのみならずフランスの舞台でも彼の作品は近年かなり頻繁に上演されています。現代のケベックのみならず、フランス語圏を代表する劇作家と言ってもいいと思います。
70年代レバノンの錯綜した宗教対立のなかで翻弄された女性の物語です。今回の公演は、掛け値なしにいろいろな人に薦めることができる舞台です。まず脚本が素晴らしいことは言うまでもない。演出の上村聡史は文学座のホープといってもいい存在で、海外現代戯曲を取り上げる若手の演出家としては、小川絵梨子、森新太郎(演劇集団 円)と並び傑出した存在です。キャストも麻実れい、岡本健一、中嶋しゅうという存在感のある個性的な舞台俳優に加え、文学座の実力者で固めた堅実かつ魅力的な座組になっています。
チケット代が6500円ということで学生にはちょっと薦めにくいのですが、ケベックの現代演劇の充実ぶりをアピールできる強力な作品となるはずなので、多くの人に見て頂きたいと思います。
『灼熱の魂』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『複製された男』の公開も7/18からはじまりますね。東京では有楽町のTOHO シネマズ・シャンテと新宿のシネマカリテの二箇所。ヴィルヌーヴは私の周りのシネフィルにも非常に評判がいいです。グザヴィエ・ドランと並んで、ケベックの文化的魅力を外側にアピールできる監督だと思います。5月に公開された『プリズナーズ』も『渦』(2000)、モントリオール大射殺事件をあつかった『Polytechnique』も私は見逃しています。見てみたい。ケベック学会でヴィルヌーヴ映画祭みたいなことはできないですかね。『複製された男』が大ヒットして、特集上映がどこかの映画館であるといいのだけど。
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CIEFサンフランシスコ大会(2014年)報告

CIEFサンフランシスコ大会(2014年)報告(7/14)

(国際フランコフォニー学会 第28回世界大会)
Conseil International d’Études Francophones (CIÉF)  
28e congrès mondial, 29 juin -6 juillet 2014, San Francisco
大会ホームページ:http://cief.org/congres/2014/

 国際フランコフォニー学会(CIÉF)の第28回世界大会が2014年6月29日から7 月6日までアメリカ合衆国サンフランシスコで開催された。AJEQからは、鳥羽美鈴、長谷川秀樹、立花英裕が参加。全体では250名程度の規模となり、70近いセッションが組まれた。
 会場はチャンナタウンに接したヒルトン・ホテル。筆者は空港からタクシーで向かったが、丁度有名な同性愛者パレードの日にあたり渋滞に巻きこまれ、動かなくなったタクシーの窓からいつまでも港の風景を眺める次第となった。ホテル到着後、外に出てサンフランシスコ名物の坂道を散策すると、アジア的な町並みに胡琴の響きが流れ、そぞろに歩く人々が穏やかな表情をしていて、こちらの心が和んだ。ホテル内の食事は安くなかったが、チャイナタウンで比較的安価に、気軽に、かつ待たされずに食事できるのがよかった。
 第28回大会のテーマは« Quêtes et conquêtes de nouveaux mondes »。筆者はエクスアンプロヴァンスでの大会(2011年)以来の参加だが、あの時はダニエル・マクシマンのような著名詩人の講演があり、歌やダンスもあって、祭典のような盛り上がりがあったが、今回は地味で実質的な大会だった。いわば学術一本槍という雰囲気だが、各研究発表が充実していて、得るところ大であった。

 AJEQのメンバーの発表については、まず立花が、大会4日目の7 月2 日のセッション« Aimé Césaire et ses intertextes » で、«Ombres maldororiennes dans la poétique d’Aimé Césaire» というタイトルで発表を行った。エメ・セゼールにおける、『マルドロールの歌』著者ロートレアモン伯爵の重要性はよく知られているが、たいていはシュルレアリスムとの関連で論じられ、両詩人をじっくり突き合わせた研究は意外に少ない。発表では、ロートレアモン伯爵ことイジドール・デュカスは南米から来た人間であり、カリブ海からパリに来たセゼールと同じようにフランス本国文化に違和感を覚えていたのであり、そうした視点から詩的言語を比較検討すると、どちらにもフランス詩の伝統には納まらない詩的・文化的格闘が見られることを指摘した。会場にはLEE Jisoonさん、 SHIN Ok-keunさん、 Gilles Dupuisさんなどが来てくれて、 Gilles Dupuisさんから内容の濃い質問があった。

 7 月4 日午前のセッション«Enseigner la Francophonie – I : approches, stratégies, technologies»では、鳥羽が« L’enseignement de la Francophonie au Japon »と題して、長谷川が« Étude comparative des îles francophones : le cas de la Corse et des communautés acadiennes de l’Ile-du-Prince-Edouard » と題して、それぞれ発表を行った。鳥羽の発表は、日本の大学教育の現状と、報告者によるフランコフォニー教育の実践例を紹介するものだった。フランコフォニーの講義は、国際組織OIF、あるいはフランス語圏諸国の言語文化など、幅広い領域をカヴァーしなくてはならないので、学生の興味を惹きつけるのが難しいが、アフリカ諸国など学生の関心度が概して低いテーマでも正面から積極的に取り上げ、それを身近な問題と関連付けて映像なども交えて説明すると効果があるという内容だった。
 長谷川は、コルシカ島とプリンスエドワード島の言語状況を比較論的に紹介した。この二つの島はどちらも二言語社会であるが、フランス語がマジョリティかマイノリティであるかで異なっている。コルシカ島では事実上のコルシカ語をフランス語に優先させる政策が進んでいること、プリンスエドワード島ではアカディア人たちが訴訟を通して、幾つかのコミュニティでフランス語学校新設が実現したことが示された後で、それぞれの現状における課題や困難が論じられた。

 今大会は目玉になる大きな企画がなかったが、アメリカ合衆国のフランス語話者についてのドキュメンタリー映画Un rêve américain (Claude Godbout et Bruno Bouliane)が上映され、また、3人の詩人による朗読会が催された。特に詩の朗読はなかなか聴ける機会のないもので、笑いと拍手の渦が湧き上がっていた。ルイジアナ出身の詩人Kirby Jambonによるフランス語と英語の混じった朗々と響く、でもコミックで、どこか哀愁の漂う詩的世界、来日もしていて、私たちに馴染みのケベックの詩人François Hébertによる、日常的な細部をテーマにしながら、詩的技巧が冴えるユーモラスな言葉遊び、アルジェリア出身のHafid Gafaïtiによる、アルジェリアの人々の苦悩をくっきりと浮かび上がらせる緊張度の高い透明な詩が、各詩人の個性的な声で朗読された。詩人たちの競演のような緊張感もあって、会場の人々を楽しませていた。
 総会では、2015年の開催地がセネガル・ダカールであることが紹介された後、会期短縮が提案され承認された。それを受けてダカール大会の会期は6月8日より12日となった。また、2016年の開催地が提案され、マルティニックと決定した。

(鳥羽美鈴・長谷川秀樹・立花英裕)

チャイナタウン
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3人の詩人の朗読会
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研究発表(鳥羽美鈴)
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研究発表(長谷川秀樹)
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AJEQ研究会(7/5)の古地会員、杉原氏の発表

AJEQ研究会(7/5)の古地会員、杉原氏の発表(7/6)

日時:7月5日(土)16:30-18:30
場所:立教大学本館1号館1204
タイトル(報告者):
1.「ケベック州議会選挙とその後に関する時事評論」(古地順一郎会員)
2.「ケベック映画のヌーヴェル・ヴァーグ~ミシェル・ブローからグザヴィエ・ドランまで」(杉原賢彦氏、特別ゲスト・映画批評/大学講師)

発表の概要:
1.2014年4月7日に行われたケベック州議会総選挙において与党ケベック党は大敗を喫し、P. クイヤール率いるケベック自由党が1年8カ月ぶりに政権の座に返り咲いた。議席数は、ケベック自由党が選挙前の49から70議席へと増加し、それに対してケベック党は54から30議席へと激減した。ケベック自由党の得票率は前回に比べると大きく伸びているものの、過去30年間の州議会選挙の得票率を見ると、これら主要二政党の得票率は以前に比べて漸減傾向にあり、代わってケベック未来連合党(18から22議席へ)やケベック連帯党(2から3議席へ)の得票率が増えてきていることは興味深い。
 ケベック党大敗の理由の一つとしては、「ケベック価値憲章」の提案にみられるように、アイデンティティをめぐる政治の争点化に拘泥したことが挙げられよう。現実にはケベック州民は経済・雇用問題や医療、財政により関心を寄せていた。もっともケベック党も経済政策の重視を打ち出すためにメディア王と称されるP.K. ペラドーを有力候補として起用したが、彼がケベックの独立を公言したがために裏目に出てしまった。実際に世論調査では、若者の多くが「主権問題」を時代遅れで非現実的なものとみなしていることが示されている。
 今後、クイヤール・ケベック自由党政権は経済、雇用面の政策を重視しつつ、連邦政府との協働を推進していくだろう。一方、主としてベビーブーマー世代に支持されてきた「主権運動」の世代間継承に困難を抱えるなかで、ケベック党が自らの立ち位置をどのように再定義し、党の立て直しを図っていくのかが注目される。
 質疑応答では、ケベック価値憲章の支持層やその選挙対策としての意味、また主権構想のゆくえ等についてやりとりがあった。(文責:飯笹佐代子)

2.カナダ最初の映画は1897年のカナダを紹介するドキュメンタリー映画であった。1939年に「カナダ人およびその他の国々に対し、カナダを理解してもらうため」世界に先駆けた映画振興政策が採られ、国立の映画庁が設立されたが、このカナダ国立映画庁(NFB/ONF)設立時の運営責任者には、英国人ドキュメンタリー映画作家ジョン・グリアスンが招聘された。カナダではドキュメンタリー映画の伝統があることが理解される。
 最初のケベック映画は1958年ミシェル・ブローらによるケベック・ウインターフェスティバルを扱った『Les Raquetteurs』であった。この作品は広角レンズを備えた小型の手持ちカメラと録音機とを使用し、初の同時録音による映画作品であった(通常の劇映画はほぼすべてアフレコである)。このような手法は「ダイレクト・シネマ」と呼ばれ、それまでの望遠レンズを用いて対象を外から撮影するドキュメンタリー映画とは大きく異なり、人々のなかに入り込み、撮影する者とされる者とのあいだの相互了解を前提とする。この手法は、ピエール・ペロー、クロード・ジュトラらはじめ、ONF内において共有され、ケベック映画の大きな特徴となった。ダイレクト・シネマはフランスで1960年代にシネマ・ヴェリテ(たとえばジャン・ルーシュ作品)へ多大な影響を与えることとなった。
 60年代以降、ケベックを代表する国民的映画監督となったジュトラは、ケベック社会を映すドキュメンタリー映画作家として重要であるとともに、『À tout prendre』(1963年)、『Mon oncle Antoine』(1971年)など、劇映画においても高い評価を得ている。
 ケベック映画には政治、移民問題など社会のさまざまな要素が絡まりながら作品が構成されているという特徴がある。2009年以降は若き天才グザヴィエ・ドランが相次ぎ話題作を発表し、注目を集めている。これまでケベック映画の日本紹介は限られていたが、ドラン作品は5本中4本が日本で公開されている(うち1本は今秋公開予定)。Youtube上にはONFのチャンネルが設定されており(https://www.youtube.com/user/onf)、ケベック作品を知ることができることが紹介された。研究会最後には、『Les Raquetteurs』やジュトラの1969年作品『WOW』などの作品抜粋を鑑賞した。(文責:小松祐子)

古地会員の発表
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杉原氏の発表
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会場の様子
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プロフィール

AJEQ: www.ajeqsite.org/

Author:AJEQ: www.ajeqsite.org/
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