FC2ブログ

AJEQの公式ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

CIEFサンフランシスコ大会(2014年)報告

CIEFサンフランシスコ大会(2014年)報告(7/14)

(国際フランコフォニー学会 第28回世界大会)
Conseil International d’Études Francophones (CIÉF)  
28e congrès mondial, 29 juin -6 juillet 2014, San Francisco
大会ホームページ:http://cief.org/congres/2014/

 国際フランコフォニー学会(CIÉF)の第28回世界大会が2014年6月29日から7 月6日までアメリカ合衆国サンフランシスコで開催された。AJEQからは、鳥羽美鈴、長谷川秀樹、立花英裕が参加。全体では250名程度の規模となり、70近いセッションが組まれた。
 会場はチャンナタウンに接したヒルトン・ホテル。筆者は空港からタクシーで向かったが、丁度有名な同性愛者パレードの日にあたり渋滞に巻きこまれ、動かなくなったタクシーの窓からいつまでも港の風景を眺める次第となった。ホテル到着後、外に出てサンフランシスコ名物の坂道を散策すると、アジア的な町並みに胡琴の響きが流れ、そぞろに歩く人々が穏やかな表情をしていて、こちらの心が和んだ。ホテル内の食事は安くなかったが、チャイナタウンで比較的安価に、気軽に、かつ待たされずに食事できるのがよかった。
 第28回大会のテーマは« Quêtes et conquêtes de nouveaux mondes »。筆者はエクスアンプロヴァンスでの大会(2011年)以来の参加だが、あの時はダニエル・マクシマンのような著名詩人の講演があり、歌やダンスもあって、祭典のような盛り上がりがあったが、今回は地味で実質的な大会だった。いわば学術一本槍という雰囲気だが、各研究発表が充実していて、得るところ大であった。

 AJEQのメンバーの発表については、まず立花が、大会4日目の7 月2 日のセッション« Aimé Césaire et ses intertextes » で、«Ombres maldororiennes dans la poétique d’Aimé Césaire» というタイトルで発表を行った。エメ・セゼールにおける、『マルドロールの歌』著者ロートレアモン伯爵の重要性はよく知られているが、たいていはシュルレアリスムとの関連で論じられ、両詩人をじっくり突き合わせた研究は意外に少ない。発表では、ロートレアモン伯爵ことイジドール・デュカスは南米から来た人間であり、カリブ海からパリに来たセゼールと同じようにフランス本国文化に違和感を覚えていたのであり、そうした視点から詩的言語を比較検討すると、どちらにもフランス詩の伝統には納まらない詩的・文化的格闘が見られることを指摘した。会場にはLEE Jisoonさん、 SHIN Ok-keunさん、 Gilles Dupuisさんなどが来てくれて、 Gilles Dupuisさんから内容の濃い質問があった。

 7 月4 日午前のセッション«Enseigner la Francophonie – I : approches, stratégies, technologies»では、鳥羽が« L’enseignement de la Francophonie au Japon »と題して、長谷川が« Étude comparative des îles francophones : le cas de la Corse et des communautés acadiennes de l’Ile-du-Prince-Edouard » と題して、それぞれ発表を行った。鳥羽の発表は、日本の大学教育の現状と、報告者によるフランコフォニー教育の実践例を紹介するものだった。フランコフォニーの講義は、国際組織OIF、あるいはフランス語圏諸国の言語文化など、幅広い領域をカヴァーしなくてはならないので、学生の興味を惹きつけるのが難しいが、アフリカ諸国など学生の関心度が概して低いテーマでも正面から積極的に取り上げ、それを身近な問題と関連付けて映像なども交えて説明すると効果があるという内容だった。
 長谷川は、コルシカ島とプリンスエドワード島の言語状況を比較論的に紹介した。この二つの島はどちらも二言語社会であるが、フランス語がマジョリティかマイノリティであるかで異なっている。コルシカ島では事実上のコルシカ語をフランス語に優先させる政策が進んでいること、プリンスエドワード島ではアカディア人たちが訴訟を通して、幾つかのコミュニティでフランス語学校新設が実現したことが示された後で、それぞれの現状における課題や困難が論じられた。

 今大会は目玉になる大きな企画がなかったが、アメリカ合衆国のフランス語話者についてのドキュメンタリー映画Un rêve américain (Claude Godbout et Bruno Bouliane)が上映され、また、3人の詩人による朗読会が催された。特に詩の朗読はなかなか聴ける機会のないもので、笑いと拍手の渦が湧き上がっていた。ルイジアナ出身の詩人Kirby Jambonによるフランス語と英語の混じった朗々と響く、でもコミックで、どこか哀愁の漂う詩的世界、来日もしていて、私たちに馴染みのケベックの詩人François Hébertによる、日常的な細部をテーマにしながら、詩的技巧が冴えるユーモラスな言葉遊び、アルジェリア出身のHafid Gafaïtiによる、アルジェリアの人々の苦悩をくっきりと浮かび上がらせる緊張度の高い透明な詩が、各詩人の個性的な声で朗読された。詩人たちの競演のような緊張感もあって、会場の人々を楽しませていた。
 総会では、2015年の開催地がセネガル・ダカールであることが紹介された後、会期短縮が提案され承認された。それを受けてダカール大会の会期は6月8日より12日となった。また、2016年の開催地が提案され、マルティニックと決定した。

(鳥羽美鈴・長谷川秀樹・立花英裕)

チャイナタウン
TachibanaA80China.jpg

3人の詩人の朗読会
TachibanaB45.jpg

研究発表(鳥羽美鈴)
TachibanaA40.jpg

研究発表(長谷川秀樹)
TachibanaC80.jpg

-------------------------------------------------------------
コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

AJEQ: www.ajeqsite.org/

Author:AJEQ: www.ajeqsite.org/
FC2ブログへようこそ!

最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。